DavePerthのオーストラリア生活記&海外旅行記

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中国から中央アジア ~シルクロード横断ディープ旅~ キルギスタン編④

<タムチ―~カラコル>~ヒッチハイクから始まった奇跡のホテル滞在、新たな怒涛の展開の始まり~

 

 

 

《早朝の湖畔と静かに散った小さな恋》

翌朝は寝てるマタンを放っておいて、俺は昨日レストランで出会った、19歳JDアイジャマールちゃんとのジョギングデートの約束があったので6時に待ち合わせの場所に向かった。

しかしいくら見渡しても彼女の姿は無く、こんな小さな村で待ち合わせの場所を勘違いしてた~、なんてことも当然ないので、俺のジョギングデートプランは無残に散っていった。。。(確かに彼女は昨日の時点で翌朝寝坊するかもしれないから、そうなった時の為に先に誤っておく的な事は言っていたが。。

 

振られたショックはあるが折角起きてしまったので、湖沿いや村の周りを一人でジョギングすることにした。静かな朝の湖沿いは本当に穏やかな雰囲気でビーチにも馬がそこここらに居たりして、牧歌的なシーンが視界を通り過ぎていく。

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朝一番の村を一人で走るとちょっと得した気分。いや、決して負け惜しみではなく

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朝の湖畔はだ~れもいない。

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でも馬はいた

村の奥の方に走って行くと小さなモスクがあったりして、ここがイスラム教の国である事を思い出す。

結局一人で寂しかったが充実したジョギングを終え朝風呂に入った。これまた気持ちいい。しばらく浴槽などには入れないので、今のうちに思いっ切り入っておかないと。そしてマタンを起こし荷物をまとめて出発することにした。

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こんな小さな村にも、ちゃんとモスクはある

 

《東へ、東へ、ヒッチハイクの旅が始まる》

ライア夫婦にお礼を言って表通りに出て商店に行き、大通りに出て東へ向かう事にした。

そう、ここからはロクに乗り合いバスも走ってないので、ヒッチハイクがメインの足となっていく。新たに気を引き締め出発しよう!

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タムチ―の救世主ライアと一枚。最高の風呂を有難う!

ヨーグルトやパンで朝食を済ませヒッチハイクをしていると一台のバンが止まった。

今日我々向かう行き先は、トレッキングのベースの町でキルギスタンでも2・3番目に大きいカラコルという町なのだが、その途中のチョルポン・アタという村まで乗せていってくれるらしい。

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キルギスタン初のヒッチハイクした車。この車でドラマが始まった

 

《まさかの展開!ホテルをヒッチハイク?》

ドライバーはまだ若い青年だが、3列の中央の座席に先客のおばあさんが乗っていた。この人もドライバーの親戚でもなんでもなくヒッチハイクしただけらしい。

おばあさんは勿論英語など一切話せないのだが、色々と質問を浴びせてくる。身振り手振りで色々とコミュニケーションをとっていて、我々がこれからカラコルへ向かうと知ると急に、宿はどうするんだ?などと心配を始めドライバーの男の子とも相談し始めた。

俺達はテントもあるし寝床は自分達で何とかするから大丈夫、と言っているのに2人は心配してるようだ。そこでおばあさんの娘がカラコルでホテルのマネージャーをしてるらしく、電話をしてくれた。

娘さんは英語が流暢に話せたのだが、彼女のホテルは我々にはちと荷が重い高級ホテル(といってもUS$30~40くらいだが)だったので、申し訳ないが辞退させてもらった。

予算が合わないという事はおばあさんにもドライバーにも理解されたようだが、まだうちらの事を心配して何やら相談している。うちらは再度自分達で何とかするし、テントもあるから大丈夫だよって伝えるが、それでももう一度娘と電話で話し出した

その電話が終わった後、ひとつの電話番号を渡された。

その番号はアディンさんというこれまたカラコルでホテルのマネージャーをしている人の物らしく、困ったらここに電話しろとのこと。そしていつの間にか俺の電話番号もあちらに伝わったらしい。。

親切には本当に感謝だが、まーこの番号に電話することはないだろうとそっとポケットの奥に押しやった。ただおばあさんもドライバー君も行きずりのヒッチハイクで乗って来た旅人にここまで親切にしてくれるとは、本当にイスラムを旅行してて驚くばかりだ。

チョルポン・アタで親切なドライバー君とおばあさんと別れ、そこから適当に車を捕まえて目的地のカラコルに到着した。

近くのベンチに腰掛けて休み、その辺から摘み取ったチェリーを売っているおばちゃんから買ったチェリーを摘まみながらマタンとさあ、どうしようかと話していたら突然俺の電話が鳴った

勿論知らん電話番号で、出てみると電話口から妙にカン高い声の男の喚くような話し声が聞こえてくるが、勿論ロシア語らしく何を言ってるかさっぱり分からない

そこでベンチの隣に座っていた見知らぬロシア系の若い男に、ちょっと電話に出て話を聞いてくれと電話を渡し声の主と話してもらった結果、ロシア系君のジェスチャーなどから判断するに、

”とにかく誰かお前たちを迎えに来るからここを動かず待っていろ”

と言い残し彼は去って行った。

いやいやいや、一体何が起こっているんだ?

何かよく分からないのに待ってて大丈夫なのか?

と二人で話してるうちに、すぐに一台の車が我々の前に停まった。すると外から人が出て来たと思うやいなや、その人物は俺達の荷物を勝手に車のトランクに入れてしまった。。

どうやらその高い声の主がおばあさんに紹介されたアディンさんらしく、これからホテルに案内するという。そこで俺達はイヤ、高そうだから大丈夫だ!、と荷物を降ろそうとするが向こうは何言ってんだ!来い!みたいな強引な感じで、言葉も通じないし拉致が明かないので取りあえずそのホテルまで行ってみる事に。

ホテルに到着してみると、何やらキルギスタンにしては立派門構えの建物が出て来て、中に入れという。いやいやこんなファンシーなホテルに泊まれるわけないでしょ!とタンアディンさんに必死に説明するが、俺はある考えが頭に浮かんだ。

“いや、これはひょっとしたら飛んだ幸運なんじゃないか!?”と。

 

するとマタンアディンさんは何が問題なんだ!?と荷物を部屋に持って行こうとしたりして、押し問答が続き拉致が明かないので例のおばあさんの娘さんに電話して通訳してもらったことには、やはりアディンさん達は俺達から金を貰おうなどと思ってないらしい。

しかもここはオープン直前のニューホテルらしく、オープン前に俺達のような外国人旅行者に泊まってもらって宣伝にしたいと言う。

やっぱりね!

俺は途中からそうなんじゃないかと薄々気付き、一人頭の中で密かに期待していたが、まさにその期待通りの展開が!

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オープン前のホテルは傷一つついていない!

マタンはびっくりしていたが、俺より何倍も切羽詰った財政状況の彼は嬉しさを隠しきれない様子だ。それぞれの個室があてがわれそこに案内されると、部屋の中にはここ数か月見たことない立派なクッションの新品のベッドに冷蔵庫・シャワー・TVなどが揃っており、ファンシーな空間を演出していた。

本当にこんな所に俺達なんかが泊まっていいんだろうかと思ってしまうが、信じられない幸運に興奮した様子のマタンと部屋の写真などを何枚も取ってしまった。。

ただ俺達を泊まらせる事が果たしてプロモーションに貢献するかは大いに疑問だが、取りあえずアディンさんには感謝の意と精一杯宣伝する旨(どこで?)を伝えておいた。

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新品のベッド。感極まった俺は初めてベッドを見ただけでボ○キしそうになった。。

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TVには英語の衛星放送まで付いていた!!もうボ○キどころではなく、シャ○イしそうである。。

《まっさら未使用のホテルのニューキッチンを貸し切りでディナー❢》

宿で落ち着いてから、マタンがまだホースライディングがやりたいとごたごたほざいてるので、その情報を聞きに街に出かけたがまともに扱っている所も中々なく、ホースライディングツアーをやっている所があってもマタンの予算が到底合わなかった。

なのでここはそういったツアーは使わずに、この際自分達で山にトレッキングに行って何か馬でも飼ってる人に直接頼んでみようという流れになった。

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カラコルの中心街?あまり人も歩いていないが、山がすぐ近くにある

そして晩飯の食材を買いにスーパーに寄ってマタンと大騒ぎしながら買い物していたら、店の親父や他の客達も色々と俺達に絡んで来て訳の分からない食材とかを進めてきたりする。その際皆に”サムライ”などお約束のフレーズを言われ、揚げパンなどをおまけしてくれた。

しかし中央アジアに入ってから、やたら中年オヤジ達には”サムライ”と言われ、若い子達には”ナルト”を連呼される。ま、サムライか忍者(ナルト)の違いかだけど、日本のイメージ=刀持った人なのか、ここでは?

そしてマーケットにも寄り、野菜を買って宿に戻った。

ここでこのホテルの、まだ誰も使っていないまっさらなキッチンを使わせてもらえる事になった。

それにしても部屋だけでなくまだ誰も使ってない真新しいキッチンまで使わせてもらうとは図々しいかぎりである。

更に管理人のおじさんが氷を持ってきてくれたり、キッチンの使い方や調理具などを色々教えてくれたりと至れり尽くせりの協力に感謝。アディンさんはここに泊まったりしてないので、代わりに工事の親方の人が管理人として色々面倒見てくれている。

彼は見た目は鬼瓦だが最高にやさしい人である。なので親方の分も食事を作ることにした。

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まだこのホテルのシェフですらタッチしていないまっさらなキッチンを使わせてもらう

まずパスタを茹で、ソースをトマト・玉ねぎ・人参・とトマトペースト・パプリカ・塩・コショウ・チーズといった材料で作るだが、これはベジタリアンのマタンの為。とにかく肉類が全くダメなので、パスタに必要なチキンストック等も使えない

よって基本味付けは至ってシンプルに、いつも同じ持ち合わせの調味料になってしまうので、何を作っても同じ味になってしまう。。

一応俺はこの旅の直前までイタリアンでシェフのはしくれをしていた手前頑張ってみたが、味はやはり全くパンチがきいていない。ベジタリアン野郎のマタンは旨いといって食っていたが、親方の方は口では”ハラショー(ロシア語で素晴らしいの意味)“と言っていたが実際肉文化のこの国の人の口には合わなかったと思う。

親方は無理して全部食っていたが、おかわりはいらないと言う。

そもそも何でマタンの野郎はベジタリアンなんだ!?どうも後天的にベジタリアンになったらしく、つい数年前までは肉も食っていたらしい。。

何があったんだ!? こいつの過去に???

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ベジタリアンパスタは正直失敗。無理して食べさせてしまった親方には申し訳ない。。

そして見た目とは裏腹に親方は俺のたった2歳上だった。。。

そして食後親方や他の作業員とも談笑してから(おじさん達は英語全く出来ないので例の如く会話は基本ロシア語単語やジェスチャーや絵が中心)、部屋に戻ってTVをつけたら何とサッカーワールドユースの日本VSフランスの試合が生中継されているではないか!

そんな偶然の展開の連続にさすがに俺も開いた口が塞がらない。。

ま、試合はフル代表同様に相変わらずの横パスばかりの展開が続き1vs1のドローに終わったが。。。

 

それにしても昨日からも怒涛の展開である。

〖よく分からない小さな小さな村の民家に泊まったかと思ったら、そこで19歳の英語の堪能なキルギス美少女と出会い翌朝デートをすっぽかされ、更に人生最高の露店風呂に入り、ヒッチハイクをしたらいつの間にかこんなファンシーなホテルで無料で個室を与えられ、今日本vsフランスの試合を生で見ている。〛

本当ウルムチ以降中央アジアを中心に怒涛の展開が続いている。

この地域に入ってから、数時間後にはどこで誰と何をしているのか全く分からないという、何か終わりのない洗濯機にぶち込まれたような感覚で、訳が分からないまま物事は進み、次から次へと新しい波がやってきてそれを捕まえどんどん乗っている感じだ。

そしてそれは素晴らしくエキサイティングな感覚で、まさに本当の旅をしているといった夢心地が続いている。これはちょっと東南アジアなどでは味わえない感覚だ。やっぱりここまで来たかいがあるな、それにしてもこの不思議な世界はどこまで続いているんだろう。明日からはトレッキングだ!

 


ディープすぎるシルクロード中央アジアの旅 (中経の文庫)


D15 地球の歩き方 中央アジア サマルカンドとシルクロードの国々 2019~2020 (ウズベキスタン カザフスタン キルギス トルクメニスタン タジキスタン)